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想いが解放された瞬間

昨日の朝のこと。

たまたまNHKの「課外授業 ようこそ先輩」という番組に
著書を読んで感銘を受けたランドスケープアーティストの
石原和幸氏が出演していました。

石原さんは世界最高峰のガーデニングの祭典、
チェルシー・フラワーショーで3年連続金メダルを獲得し、
世界一の庭師となった方。

その原点は、長崎市内で始めた小さな路上花屋だそうです。

そこでの活力の源は「お客さんの喜ぶ顔」。
どんなに安い花束でも、石原さんは全力でお客さんを
喜ばすためにどうしたらいいか考え、必死で働いた。

番組では、そんな思いをご本人が小学生たちに「伝えよう」する
姿を追う内容でした。

http://www.nhk.or.jp/kagaijugyou/archives/archives388.html

石原さんが授業で子供たちに出したテーマは

「本気で人を喜ばせること」

でした。

子供たちに、本当に喜ばせたい人に花束を贈ろう、と呼びかけるのです。

なぜ石原さんがそこまで本気で人を喜ばすことに情熱を注ぐのか、
それはぜひご本人の著書を読んで欲しいな、と思います。


生徒の一人、Y君は、他の子供たちが花束をあげたい相手として
「お父さん」「おかあさん」「おじいちゃん」と家族を中心に
選んだのに対して、「担任の先生」と答えます。

きっと石原さんは何か引っかかる物を感じたのだと思います。

Y君はお父さんと離ればなれで暮らしている子なのです。

教室で皆に呼びかけながら、Y君に「本気で喜ばせたいひとだよ?」
「このまま先生で行くか?」「僕は何でもするよ、助けるよ」
とY君に寄り添いながら、視線を彼にあわせて語りかけます。

何度か石原さんが声をかけたあと、Y君が石原さんにこう言いました。

「離れて暮らしているけど、お父さんに花束を渡したい」

カメラはその瞬間をとらえていました。

石原さんの思いがY君に伝わった瞬間でした。

石原さんの顔がみるみる内に、歪んできます。
「そうか、わかった!」
そう言って、Y君の背中をポンとたたいた石原さんは、
カメラの前で声を上げてむせび泣いていました。

「想いが伝わる瞬間」って、TVの画面で見るだけでも
その心の震えが伝わってくるものなんですね。
気がついたら僕は画面に見入っていて、同じようにポロポロ
涙を流していました。

番組は相手を思いながら、楽しそうに花を選び、花束を作る
子供たちの姿を映して行きます。

最後に子供たちが花束を実際に渡して行く姿をカメラが
とらえます。

受け取った方は、みんな泣いています。

最後にY君が石原さんに付き添われて離れて暮らす父親の
もとに花束を届けに行きます。

渡し終わり、石原さんと並んで歩くY君。

ぬぐってもぬぐっても涙が止まりません。

「どうして泣いてるの?」とスタッフの一人がY君に聞きます。

Y君は「よくわからない」と言いながら、泣き続けています。

言葉にできない、しちゃいけない。

そんな思いで、Y君はお父さんへの想いをずっと閉じ込めて
いたのかも知れません。

石原さんと作った花束は、Y君の心の深いところにあった
お父さんへの想い。

言葉にできない想いを「花束」という形にして表に出してあげる。

心に閉じ込めてしまった「想い」が解放される瞬間に、TV画面を
通してではありましたが、立ち会えた。

素晴らしい瞬間でした。


世界一の庭師の仕事術 ‾路上花屋から世界ナンバーワンへ‾

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  • 作者: 石原和幸
  • 出版社/メーカー: WAVE出版
  • 発売日: 2009/03/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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コメント 1

通りすがりのzenso君

石原さん、素晴らしい。
僕も人の心の機微に敏感でありたいです。そうゆう心の痛みがわかる人でありたいです。

ブログを読みながら、目頭が熱くなりました。

僕も、想いが解放された瞬間に、このブログを通して立ち会えた気がします。
素晴らしいブログでした。
by 通りすがりのzenso君 (2011-12-10 18:13) 

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