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ジェノサイド・高野 和明 / とんび・重松 清 [読んだ本]

どちらも「父と息子」の物語でした。

舞台設定も、出版年も、もちろん著者も異なりますが
同じ週に読んだ2冊の本が、どちらも「父と息子」
という同じテーマが底に流れている本だったことは
不思議な感じです。

ジェノサイド・高野 和明

創薬化学を専攻する大学院生・研人のもとに
死んだ父からのメールが届く。

傭兵・イエーガーは不治の病を患う息子のために、
コンゴ潜入の任務を引き受ける。

二人の人生が交錯するとき、驚愕の真実が明らかになる――。


2011年・日本モノのミステリーの多くのランキングで
1位を獲得した作品です。

600ページ弱の大作ですが、通勤電車内と名古屋との往復
新幹線の車内で、一気に読みました。

文句なしに面白く、そして、最後に僕は泣けました。



とんび・重松 清

もうこの人の作品は、何冊も紹介しています。

そして、そのたびに感動して涙を流しています。

本書も、後半は泣きっぱなしでした。

「大事に思うとる者同士が一緒におったら
 それが家族なんじゃ。
 一緒におらんでも、家族なんじゃ。
 自分の命に代えてでも、守っちゃる思うとる
 相手は、みんな家族なんじゃ」

主人公、そして、物語の舞台が広島だったことも
心に響いた要因かもしれません。

二冊ともお勧めです!


ジェノサイド

ジェノサイド

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/03/30
  • メディア: 単行本




とんび (角川文庫)

とんび (角川文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/10/25
  • メディア: 文庫



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年末年始に読んだ本(3冊) [読んだ本]

『弱い日本の強い円』佐々木融・著

最近、「超円高」と言う言葉で日本経済が直面している危機に
ついて述べる記事を多く目にします。

そこで、気になって購入した本です。

いわく、

「国力が弱いと通貨も弱くなる」

「人口が減少する国の通貨を買う理由などない」

為替に関して、まことしやかに語られてきましたが、実際には
円高は長期化する一方です。

こうした為替をめぐる不可思議な現象に、納得の行く説明を
してくれる本。

著者は、日本銀行調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所
などを経て、現在、JPモルガン・チェース銀行で
マネジングディレクター/債券為替調査部長を務める方。

「国力と為替相場の関係は希薄」
「円の場合は成長率が低い時のほうが上昇する傾向が強い」

などと、これまでの常識では理解できない主張を述べ、その理由を、
過去の為替の動きを解説しながら、論じています。

正直言って、一読しただけでは、その内容を理解したとは
言い難いですが、その内容が刺激的で、知的好奇心をくすぐる
内容であることはわかります。

もう少し、経済・金融・通貨に関する勉強をしたうえで
もう一度読み返してみたい良書です。

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クロス円の動きが理解できてはじめて為替相場が理解できる

もし、世界中のすべての企業や投資家が、自分が保有する資産の
1%を対外投資に振り向けたら、どの通貨が売られるであろうか?
答えは簡単である。それはお金を持っている投資家や企業が
多くいる国の通貨である

(中略)

そして投資資金を多く持っている国は米国と日本。
つまり、世界の投資家や企業が積極的にリスクを取って
対外投資を活発化させるような状況で最も売られるのは、
米ドルと円になるのである。
だから世界景気が上向きな時は米ドルと円が弱くなるのだ

超長期的な視野に立って見れば、為替相場の方向性を
決めているのは国力や人口増減などではなく、
各国のインフレ率の差。
つまり、ある一定の期間(ただし15年以上の長期間)で見て、
インフレ率の最も低かった国の通貨が最も強かったことになる

2010年の経常黒字は17.1兆円で、内訳は貿易黒字が8.0兆円、
所得収支の黒字が11.6兆円である。つまり、日本の経常黒字は
かなりの部分が所得収支で占められている

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『ソーシャルゲームはなぜハマるのか』 深田浩嗣・著


書評サイトで紹介されていて、たまたま書店で見つけたので
購入したものです。

スマートフォンが普及し、電車の車内で新聞や会社のメール、
Facebookにアクセスしている人が増えましたが、それ以前から
携帯電話のゲームに夢中になっている人は良く見かけました。

とにかく「ハマっている」という表現がピッタリなのですが、
この謎を「ゲーミフィケーション」という方程式で
解きほぐしてくれる本です。

おそらく、いま手に入るもので、この方程式をここまで
整理している本は本書しかないのではないか、と思います。

初級者をいかにして中級者、上級者へと導き、かつソーシャルの力で
参加者を結びつけ、励ますか。いかにして課金に導くか。

おそらく、ソーシャルゲームの開発者やウェブを充実させたい方、
モバイルの販売キャンペーンを手掛ける人向けの本で、
その分、マニュアル的な書き方になっているため、読み物
としては少々読みにくいです。

ですが、この考え方は、コミュニティ運営や教育にも使えそうな
気がします。

興味があればぜひ!

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◆リチャード・バートルによるゲームプレイヤーの4分類
1.アチーバー
   ゲームの世界に対し、自らが中心となるような関わり方を好む
2.エクスプローラー
  新しい世界を開拓したり、隠し場所を発見するなど、
   冒険そのものを楽しむ好奇心の強いプレイヤー
3.ソーシャライザー
  他のプレイヤーと相互に関わることを好むプレイヤー
4.キラー
競争心が強く、典型的には他のプレイヤーを攻撃するなどの
行動を通じて、自分が優越していることを示す

遊ぶからには、何のためにそれをやるのかという理由が必要です。
魅力的な目的、楽しそうな目的、到達したいと思える目的があれば、
プレイヤーは喜んで遊ぼうと考えます

◆可視化の対象
・ステータス(自分、他プレイヤーなど)
・ゲーム内世界(自分ができること、行動可能な範囲、
  次のステージに行くまでの道のり・まだ解除されていない要素など)
・ソーシャルアクション
(他のプレイヤーから受けた・与えたソーシャルアクション)
・様々な演出効果

自己表現の結果は、自然に他のプレイヤーの目に触れるように
することが重要

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「麒麟の翼」東野 圭吾 (著)

数時間で一気読みの本です。

人気の「加賀恭一郎シリーズ」の第9弾。
前作『新参者』に続き、日本橋署編です。

著者らしいシンプルで読みやすい文章。

そして、加賀シリーズでおなじみの人情・親の愛情、といった
エピソードがストーリーの中に巧みに織り交ぜられ、職人の
芸術の領域にあるため、安心して作品にハマれます。

最近の作品では、あまり凝ったトリックは使われず、
むしろストーリー性に重点が置かれているように思います。

ですので、謎解きを期待して読むとちょっと物足りないかも
知れません。

僕は今の路線の方が好きなので、今回も堪能させて
いただきました。

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)

  • 作者: 佐々木 融
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2011/10/12
  • メディア: 新書



ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足

ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足

  • 作者: 深田 浩嗣
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2011/09/14
  • メディア: 単行本



麒麟の翼 (特別書き下ろし)

麒麟の翼 (特別書き下ろし)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/03/03
  • メディア: ハードカバー



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真夏の方程式 / 東野圭吾 著 [読んだ本]

夏休みに息子の誕生日プレゼントとして贈った本です。
息子と家内が読み終えたので、最後にまわしてもらいました。

本作もさすが東野、と言いたくなつ良いできばえ。

特に理系男子の僕にとっては、とても共感するところの多いもの。

夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。
仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。
翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。
その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。
彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。
これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。

ガリレオシリーズにしては、物理的なトリックは弱く、
冒頭に事件が起こる以外は、物語は淡々と進みます。

でも、最後のページを読んだあと、心にジーンと余韻が残ります。

最後にこの物語の本当に主人公が誰なのか、そして作者が最後の
シーンに込めた暖かいメッセージが染みてきます。

息子の夏休みに贈ることが出来て良かった、と感じました。

良い作品です。お薦め!


真夏の方程式

真夏の方程式

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/06/06
  • メディア: 単行本



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日本経済の底力 - 臥龍が目覚めるとき / 戸堂 康之 著 [読んだ本]

震災後の日本は、復興を超えた飛躍的成長が必要である。
TPPなどによるグローバル化と、地方における産業集積によって
制度を大転換すれば、それは十分に可能だ。
なぜなら、日本には潜在力がありながらその力を発揮できない
人々や企業がたくさんいるからだ。

著者の主張は非常に明確で、学術的な研究データをもとにした
分析をもとにしたしっかりした内容です。

それだけにもう少し現場感があると面白かったです。

研究者として、冷静に震災後の日本の進むべき道を示そうと
いることは十分に伝わってきますが、著者自身が被災地の現場の
人たちの声を拾って、自身の主張につなげていれば、もっともっと
迫力のある著書になったのではないか、と感じます。

辛口ですが、研究者ならではの情熱のこもった良書ですよ。


日本経済の底力 - 臥龍が目覚めるとき (中公新書)

日本経済の底力 - 臥龍が目覚めるとき (中公新書)

  • 作者: 戸堂 康之
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/08/25
  • メディア: 新書



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謎解きはディナーのあとで・東川 篤哉 著 [読んだ本]

ドラマ化され、続編も出版されるなど、いま話題の本です。

どうやら僕は「本屋大賞」の審査員のセンスと全く好みが合わないようで、
読み終えて思わず、自分に対して

「この本に1,500円も支払うなんて、あなたの目は節穴ですか?」

と言いたくなりました。

正直言って、多くのファンの方には申し訳ないのですが、僕は駄作だと思います。

全く面白くない!

確かに毒舌の「執事」と大富豪のお嬢様、加えて寒い会話。

特に酷いのが、ミステリーとして最も大事な謎が薄っぺらなこと。
「抱腹絶倒の本格ミステリ」と言われても...。

ということで、もし購入をお考えの方がいらっしゃれば、まずブックオフで
中古をお探しになった方がよろしいかと。

小一時間の時間つぶしにはなります。

しかし、本屋さん大賞って、本当に本屋の方が選考してるのかな・・・。
本当に「この本を読んで欲しい!」、という思いで選んでいるのか理解できません。


謎解きはディナーのあとで

謎解きはディナーのあとで

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/09/02
  • メディア: 単行本



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どうする?日本企業・三品和弘著 [読んだ本]

昨年読んでとても良かった企業戦略系のビジネス本
に『ストーリーとしての競争戦略』がありますが
今年はこの一冊が読んだ中でベストだと思います。

「日本企業はいまこそグローバル展開を加速すべき」
「イノベーションが必要だ」
と盛んに言われるなか、安易な戦略に乗ることの
危険を指摘した良書だと思います。

まず、日本企業が一貫して売り上げを伸ばして
きたのに対し、営業利益は低迷していることを
指摘されます。

さらに、営業利益の急増に先行して特別損失が膨らん
でいることから、日本企業が人員整理や設備の
リストラなど、非常手段に訴えて増益を確保した
可能性を指摘。

成長ありきの経営をやめ、新たな志を持って事業に
取り組むことを提案しています。

お客様や商品を思い、これまでにない価値とプロセス
を実現すれば、一見関連のなさそうなビジネスでも
成功でき、利益もついてくる。

実業家ではない経済学者が提唱するのであれば、
このくらい新鮮な切り口の議論を展開して欲しい、
そう思わせてくれます。

著者の本を、もう何冊か読んでみようと思います。
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仕事の醍醐味は、事業を通して世界を変えるところに
あるはず

誰に向かって何を売るビジネスを営むのかという事業
の「立地」や、売ると決めたものを売ると決めた相手
にデリバリーするまでのプロセス(これを私は事業の
「構え」と呼んでいます)は、思い立ったからといっ
て、簡単に変えられるものではありません。だから、
戦略性が高いのです

いたずらに規模を追わないのは、何をやりたいのかが
心の中で明確になっているからに違いありません。こ
の志こそ、日本の企業に決定的に欠けている中核要素
ではないでしょうか

ポーター教授は、「飛び地」を極端に嫌う日本企業を
見て、ヒトの限界を指摘します。地縁に固執するの
は、自分が知らない事業に尻込みする経営者の偏好で
はないのか

滲み出しは安全そうに見えて、実は危険極まりない

市場で売り抜く力がモノを言うビジネスや、顧客との
技術折衝が鍵を握るビジネスでは、どうしても地元に
密着した国産勢が優位に立ちます。そういうフィール
ドでは、新興国に過大な期待を抱かないに限ります



どうする? 日本企業

どうする? 日本企業

  • 作者: 三品和広
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2011/08/04
  • メディア: 単行本



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ゼロ年代の想像力 宇野常寛・著 / 『武器としての決断思考』瀧本哲史・著 [読んだ本]

ゼロ年代の想像力 宇野常寛・著

『DEATH NOTE』、『恋空』、『ALWAYS 三丁目の夕日』、
宮藤官九郎、よしながふみ、平成仮面ライダーシリーズなど
サブカルチャー批評を通じて、「大きな物語」のない
ゼロ年代の流れをまとめて描いています。

「格差・郊外・ナショナリズム、激震するゼロ年代に
 生まれた物語たちの想像力は何を描き、生み出してきたのか。
 時代を更新するサブ・カルチャー批評の決定版。」
 
と言うことで、「たまには読んでみるか」と思い書店で手に
取った作品です。

思想とか、評論、という物の面白さは体験できますが、
いかんせん文章が難解で、時に考察がマニアック過ぎて
読むのにかなり時間がかかってしまいました。

例えば平成仮面ライダーの一作品である「仮面ライダー龍騎」を、
「新世紀エヴァンゲリオン」で提示された「引きこもり」から
「サヴァイバル」へと時代の空気が変わった象徴、と
捉えた論評など、時に「ほーっ」と感心する論が展開されて
います。

年に一冊ならこういった思考系の作品を読んでみるのも
悪くないな、と思いますが、決して万人向けのものでは
ありません。


『武器としての決断思考』瀧本哲史・著

こちらは、新書で読みやすく、通勤時間を使った2日で読めた
作品です。

著者は瀧本哲史氏。

マッキンゼーを経て独立し、いくつかの会社を経営するかたわら、
エンジェル投資家としても活動する人物で、現在は、京大で
「意思決定論」や「起業論」「交渉論」などの授業を担当し、
人気No.1若手教官として活躍中の方です。

本書で著者は、「情報過多」「先行き不透明な時代」に、
自分で考え、自分で決めるための技術を講義形式で伝授してくれます。

知的武装のための一冊。

社会に出で日が浅い、若い人ほど読むと効果がでる内容だと思いました。

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リベラルアーツとは、意訳すると「人間を自由にするための学問」
なのです

東日本大震災の際、新宿駅でタクシーの列に500人以上の
人間が並んでいる光景を見て私は心底驚きましたが、
自分で答えを出せるようにならないと、本当に行列に10時間並ぶだけの
人生になってしまいます

論題は―
1.二者択一になるくらい具体的なものを選ぶ
2.議論に値するものを選ぶ
3.明確に結論が出るものを選ぶ

個別の事例から一般論を説明するのが帰納の考え方ですが、
いちばんよく見かけるのが、都合の良い事例、偏った事例だけを
集めてしまうことです

注意しておいたほうがいいのは、発言で強調されているポイントは
実は重要でない可能性があるということ。
どういうことかというと、たとえばIR説明会で、「我が社は3年連続、
売上40%アップです」と言っていたら、「売上」ではなく「利益」が
問題なときがあるということです
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ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)

ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)

  • 作者: 宇野常寛
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/09/09
  • メディア: 文庫



武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

  • 作者: 瀧本 哲史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/22
  • メディア: 新書



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7月に読んだ本 [読んだ本]

早いもので7月も終わりです。
今月は暑い日が多かったのですが、比較的、本を読む時間が
取れました。今月読んだ本の感想を簡単に書き留めておきます。


極北クレイマー(上)(下) 海堂 尊

財政破綻にあえぐ極北市。

赤字5つ星の極北市民病院に赴任した非常勤外科医・今中が見たのは、
対立する院長と事務長、意欲のない病院職員、不衛生な病床に
ずさんなカルテ管理…。

やがて病院閉鎖の危機を迎えた極北市民病院。今中は医療崩壊の現場を
再生できるのか? 

バチスタシリーズ以降、この著者の作品は結構お気に入りで、
マメに購入して読んでいます。

著者は、キャラの立ったユニークな人物を登場させながら
医師として、日本の医療現場の問題点・実像を描いています。

エンターテイメント作品でありながら、いつも作品には
その志や、著者なりの提案が盛り込まれているのですが、
この作品は「何が描きたかったのか?」がちょっと希薄
だったように思います。

おそらく、描きたいテーマである医療現場の実態が、
舞台となる地方都市に置いてあまりに多く、これらを何とかして
ストーリーに盛り込もうとし過ぎて、全体的にテーマが希薄に
なったのだと思います。

医師である著者が問題点を絞り込めないこと。

それが、本作品の舞台になっている地方都市での医療の現実なのかも
知れません。

著者への期待が大きいからこその辛口コメントになってしまいました。


極北クレイマー 上 (朝日文庫)

極北クレイマー 上 (朝日文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2011/03/04
  • メディア: 文庫



極北クレイマー 下 (朝日文庫)

極北クレイマー 下 (朝日文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2011/03/04
  • メディア: 文庫



戦略と実行―組織的コミュニケーションとは何か/清水勝彦・著

ビジネス書としては、昨年読んだ「ストーリとしての競争戦略」に
負けずとも劣らない良書です。

読んでいて、いろんなことが自分の中で明確になってきて、
頭の中が随分と整理された気がします。

ともすると、戦略はだれか頭のいい人が作るもの、実行するのは
別の人、という具合に、事業戦略や製品戦略がうまくいかないのは
その戦略自体のスジが悪いか、実行する組織形態がよくないのか、
という論を張る本は何冊読んだことがあります。

本書は戦略が機能しないのは「コミュニケーションの問題」であり、
コミュニケーションを活性化させることが戦略実行のポイントだ
ということを主張しています。

著者は、
・そもそもコミュニケーションとはなんなのか?
・コミュニケーションがいいというのはどのような状態なのか?
という本質を、分かりやすい言葉で切ってくれています。

「コミュニケーションをよくしよう」という掛け声だけで
終わらせないために、何を考えなくてはいけないか?
ということを考えさせられます。

まさに副題にあるように、
「組織的コミュニケーションとはなにか?」
が腹に落ちる一冊です。
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・価値観の違いを、本当に意識しなければならないのは、
 実は同じ組織の社員や上司
・仲が悪いからコミュニケーションがない、のではなく
 コミュニケーションがないから仲が悪くなる、のです。
・コミュニケーションは、相手のことが分からないからするもの
・戦略と制度の整合性は重要だが、整合性を持たせるための
 コミュニケーションが重要
<組織におけるコミュニケーションの基本>
・部下の小さな気づきを大切にする
・意味を共有する
・本質的には効率が悪いことである
・情報/ロジックと、前提となる価値観や気持ちを伝える
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戦略と実行―組織的コミュニケーションとは何か

戦略と実行―組織的コミュニケーションとは何か

  • 作者: 清水 勝彦
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2011/03/24
  • メディア: 単行本



ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール/ドナ・ウォン・著、 村井瑞枝・訳

この一冊も良書です。
目から鱗の落ちるような図表作成テクニックと、その背景にある考え方が、
余すこと無く紹介されていて、これはお買い得です。

著者はウォールストリート・ジャーナル紙のグラフィックの責任者を
9年以上務めるグラフィック・エディター。

本書のグラフ作成テクニックを学べば、「違いがわかる」ビジネスマンに
評価されること、間違いなしです。

パワポでの資料作成が多い方に限らず、仕事で図を扱うことがある
ビジネスマンにはイチオシの一冊です。

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・図表をうまくつくるためには、
 「調査」「編集」「作図」「見直し」の4つの
 ステップをきちんと踏むことが大切

◆編集段階での注意点
・カギとなるメッセージを決める
・ポイントを一番うまく伝えられるデータを選ぶ
・要点を絞って、データを抽出する
・ポイントを強化するための表現方法を選ぶ

・私たちは直感的に、上から下、また時計回りにものを
 読み進めます。そのため、円グラフを作成するときは、
 並べ方に注意が必要です
-----------------------------------------------------------------------------


ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール

ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール

  • 作者: ドナ・ウォン
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2011/04/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



命の遺伝子/高嶋哲夫・著

先日読んだ首都圏直下型地震をテーマにした小説「M8」が
面白かったので、手に取ってみました。

著者の作品は、科学技術系冒険小説、と言うようなジャンルのものが
多く、相変わらずの一気読み本でした。

確か、著者の作品では、「ミッドナイト・イーグル」が映画化されて
ましたが、この作品もぜひ映画化して欲しい、と思います。


命の遺伝子 (講談社文庫)

命の遺伝子 (講談社文庫)

  • 作者: 高嶋 哲夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/13
  • メディア: 文庫



『生き残る会社の先読み戦略』/長谷部光重・著

こうして振り返ると、今月はビジネス本の当たり月でした。

本書は、年商70億円の激安スーパーオセン(岩手県)や、年商130億円の
スーパーセンターアマノ(秋田県)など、東北地区の名立たる企業を
クライアントに持つカリスマ税理士、長谷部光重さんによる一冊。

首都圏に拠点を構える、大手コンサルティング会社のコンサルタントによる
著書は多く出ていますが、本書は、地方在住ならではの事例とビジネスチャンスに
対する示唆が沢山盛り込まれていて、刺激の多い一冊です。

いわゆる霞ヶ関の皆さんが成長戦略と称して提唱する医療観光については
「産業としての成立はあり得ない」、農業問題については「米余りどころか
米不足時代がやってくる」、少子高齢化については「多死化時代だからといって
葬儀ビジネスの成長はない」などの仮説が提示されます。

その他にも、
・日本は、「人口減」の「世帯増」に進む
・軽四輪車を含む乗用車の保有台数は
 減少どころか、増えている

・スーパー、コンビニ、それに宅配機能を備えた「スーパーコンビニ」といった
 業態が出現する

など、これからのビジネスを自分で考えるためのヒントになる話がいくつも
紹介されています。

さらっと読める本ですので、ぜひ読んでみてください。
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◆高齢シングル化による未来像

1.郊外のショッピングセンターまで買い物に行けない→買い物難民

2.住宅のメンテナンスができない、または、賃貸住宅のリスク回避に
 よる契約の更新ができない→住宅難民

3.福祉介護施設の空きが無く入居できない→福祉介護難民・老老介護

4.医療制度改革の入院診療報酬引き下げおよび病床削減で入院できない→医療難民

全国展開、全国制覇はもはや目指すべきではない

注目したいのは世帯数です。15年には現在の世帯数からおよそ100万増え、
5060万世帯になると推計されています。つまり、これからの日本は、
「人口減」の「世帯増」に進むということです

食のスタイルは、小食と倹約。外食から中食、そして内食に移行します。
「少量」「レトルト」「宅配」「近場での買い物」になるでしょう
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生き残る会社の先読み戦略

生き残る会社の先読み戦略

  • 作者: 長谷部 光重
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2011/03
  • メディア: 単行本



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ねじまき少女/パオロ・バチガルピ著 [読んだ本]

書店の店頭に平置きされていて、帯書きに

「ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞など主要SF賞を
 総なめにした鮮烈作!」

と書いてあったので、思わず購入。

SFは苦手という方も、そこそこ楽しめる作品だと
思います。

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物語の設定は油が枯渇し、エネルギー構造が激変した
近未来のバンコク。

遺伝子組替動物を使役させて、エネルギーを取り出す
工場を経営するアンダースン・レイクは、ある日、
市場で奇妙な外見と芳醇な味を持つ果物ンガウを手にする。

ンガウの調査を始めたアンダースンは、ある夜、クラブで
踊る少女型アンドロイドのエミコに出会う。

彼とねじまき少女エミコとの出会いは、世界の運命を
大きく変えていった。
---------------------------------------------------

と、ここまで読むと、上記の二人が組んで活躍する
アクション系の物語かな、と思うのですが、それが
全然違うのです。

この二人以外の3人を加えた、合計5人の視点で、
かわるがわる物語が語られるので、特に上巻は
かったるい位、展開が遅いです。

上下巻の読破速度が、こんなに違った作品も珍しい
です。

蒸し暑い季節には、もっと蒸し暑い都市を舞台にした
物語を読む。

なんてのも良いですよ。


ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: パオロ・バチガルピ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 文庫



ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: パオロ・バチガルピ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 文庫



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『生くる』執行草舟・著 [読んだ本]

今月は蒸し暑さと、寒暖の差が激しい日が続き
いまひとつ読書のペースが上がりません
でした。

そんな中、今月イチオシの一冊を紹介します。

タイトルは「生くる」。

昨年12月に発行された400ページ越えの本で、実業家、著述家、
歌人として活躍し、現在の消費社会における人間の生き方に
疑問を発信している、執行草舟氏による一冊。

実は昨日、仕事の後、丸の内の書店オアゾに立ち寄った
とき、この本が平置きされていて、良い本はジワジワと
でもちゃんと話題になって売れていくものなんだなぁ、
と実感しました。

3月の大震災の影響で、節電を含めて、日本人の間に、これまでの
生活態度を見直す気運が高まっていますが、本書は、まさにその
日本人が本来持っていた考え方、生活態度、志などを説いた一冊。

とても一気に読めるものではありませんし、読みながら
背筋が伸びるのを感じます。

人の恩に報い、人の情に触れる生き方、時代に振り回されない
自己確立をするための読書、本物を大切に思いながら、
あえて本物を求めない心、口に出さない美徳、厳しさを伴う人格…。

他にも、無償の愛がなぜダメなのか、なぜ本物を求めてはいけないのか、
人にとってなぜ恩が大切なのかなど、感心したり反省したり
大変な思いをして読みきった本です。

夏休みが取れたら、ぜひ読んでみて欲しい一冊です。

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「しあわせ」とは「仕合わせ」。人と人が合わさって仕えている
状態が「しあわせ」の本質である。

生きるとは、捨てて捨てて捨てつくすことに他ならない。

自信とは自ら持つものではなく、他者から与えられる一つの評価基準。

人間は自己を忘れるとき以上に自己を肯定していることはない

線の本質は点の集まり

我々は、三日坊主のままで生きながら、人生の柱だけに
一生坊主を貫けばよい

決め付けは、人間から柔軟な思考を奪い、結果として人生を
行き詰らせる

感情だけに立脚している者は、死ぬまで何の成長もしない

習慣を変える力は、新たなる習慣を置いて他ならない

信ずるとは、信じる自己を信じるということ

運命は動くから「運」命

宿命は自分の過去に存在し、既に動かざるものとなったすべて

感謝はしっぱなしでも良いが、恩は返さなければならない

創造的な者は、すべて古風である

判断は、下すことにすべての価値がある

自分を善人だと思いたい人は、何も物事を判断できなくなる

「ある」も「ない」もなし。すべて「自分の時間」。

作用と反作用。信頼関係を無償だと思う人間は、必ず
信用の利用しか考えていない。
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生くる

生くる

  • 作者: 執行 草舟
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/12/18
  • メディア: 単行本



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